【書評】小説「陸王」は仕事に関する示唆に富んだ作品
どうも!読書が大好きなはざま(@hazamahazamab)です!
先日、池井戸潤氏著作の小説「陸王」を読み、とても感銘を受けました。この小説の感想を一言で言うなら、仕事に関する示唆に富んだ作品といったところでしょうか。
今回は、そんな小説「陸王」の魅力をご紹介させていただきます。
あらすじ
埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。
チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?(出典:Amazon)
あらすじは以上の通りです。
池井戸潤氏の小説は、会社で働くという行為を疑似体験できる小説が多く、新入社員やこれから就職を控えている方にとって参考になる点が多々あります。
小説「陸王」の魅力
小説「陸王」には3点の魅力があります。
新しい事業へ挑戦していくプロセスが学べる
この小説は、足袋業者の社長である宮沢がランニングシューズの開発に挑戦する物語です。
皆さんは、今までに新しい事業に挑戦した経験はありますか?わたしは、新しい事業に挑戦するという大それた経験はしたことはありませんが、この小説を読むことで新規事業へ挑戦していくのがどれだけ大変かということを疑似体験できます。
例えば、もしあなたがランニングシューズを一から作るとしたら、どうしますか?シューズメーカー等で勤務した経験のある方であれば、ノウハウがあるので、概ねの方向性は思い浮かぶでしょう。
しかし、ランニングシューズなんて運動する時に履くくらいという方にとっては、新しくシューズを作るノウハウなんて皆無に等しいでしょうから、想像もつかないでしょう。
この小説は、そんな新規事業への挑戦プロセスを学べます。そして新規事業へ挑戦してみたいというモチベーションを上げてくれます。
様々な背景を持つ人々の人生観を学べる
この小説に限った話ではなく、小説全般に言えることでしょう。ただ、この小説は現代小説ということもあり、より身近にその人物を感じとれます。
この小説上には、走りに命をかけてきたランナーたちが登場します。元旦の駅伝や箱根駅伝を走っている人たちというとわかりやすいでしょうか?
テレビで彼らを見ても「普段どのように過ごしいるのか」や「どのような想いで走っているのか」まで考えを至らせる人は少ないでしょう。
この小説を読むと、彼らの心情が痛いほどわかります。
ビジネスは多くの人の関わりから成り立っているのを学べる
当たり前ですが、人一人でできることは限られています。この小説のランニングシューズを開発することも自分一人で全て一から作るなんていくら時間があっても足りません。
多くの人たちがノウハウを結集することでひとつの商品ができていくのを改めて実感できます。また、人はあくまで感情の生き物であり、合理的なだけが全てではないと改めて実感できるでしょう。
まとめ
冒頭でも述べましたが、この小説の感想を一言で言うなら、「仕事に関する示唆に富んだ小説」です。当たり前だけど、普段忘れていることを改めて実感させてくれます。
勿論、ストーリーとしても非常に面白い小説でした。興味を持たれた方は是非読んでみてください。
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